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金融・投資 NEW 2026.09.16(水)

どちらが良い投資?「300万円区分・利回り20%」vs「2億円1棟・利回り6%」

どちらが良い投資?「300万円区分・利回り20%」vs「2億円1棟・利回り6%」

不動産投資で物件を探していると、どうしても気になるのが「利回り」です。
「利回り10%以上は欲しい」「6%では低すぎる」「できれば15%、20%の物件を狙いたい」……。特に個人投資家にとって、「高利回り」は非常に魅力的な響きを持っています。同じ価格、同じリスクであれば、利回りは高い方が良いに決まっています。

しかし、不動産投資の本来の目的は「高い利回りの数字を追い求めること」ではありません。真のゴールは、着実に資産を増やし、目標とする健全なキャッシュフローを作ることです。だとすれば、目先の利回り数値だけを追い求めることが、本当に目標への近道なのでしょうか。

今回は、対極にある以下の2つの物件を比較しながら、不動産投資における「ロット(規模)」と「レバレッジ」の本質を考えてみます。

【物件A】 300万円・表面利回り20% の区分マンション(現金購入)
vs
【物件B】 2億円・表面利回り6% の一棟マンション(融資利用)

※比較を分かりやすくするため、物件Aは自己資金のみで購入、物件Bは物件価格の90%以上の融資を利用するものと仮定します。

【物件A】 300万円・利回り20%の現実:「100か0か」の脆弱性

まず物件Aです。300万円×20%ですので、満室時の年間賃料収入は60万円となります。現金購入であればローン返済はありません。管理費や固定資産税などの経費は発生するものの、単純計算では5年分の賃料で購入価格を回収できる計算になり、非常に魅力的に映ります。

「だったら、この高利回り区分を何戸も買い集めればいい」と考えがちですが、ここには区分特有の構造的な弱点が存在します。

📌 区分1戸投資が抱える「100か0か」の変動幅

1戸しか所有していない場合、稼働率は常に「100%」か「0%」の極端な推移をたどります。入居中は毎月家賃が入りますが、ひとたび退去すれば次の入居者が決まるまで収入は完全にゼロになります。

  • 退去時の原状回復費用や設備の交換費用が突発的に発生する。
  • 仮に20万円の修繕が発生すると、年間賃料60万円に対して約33%もの負担となり、数ヶ月の空室が重なるだけで期待していた実質利回りは一気に崩壊する。

表面利回り20%という数字は、毎年20%の現金が確実に手元に残り続けることを保証するものではない点に注意が必要です。

【物件B】 2億円・利回り6%の強み:規模とレバレッジが生む絶対額

一方、物件Bの2億円・表面利回り6%の一棟物件を見てみましょう。年間賃料収入は「2億円×6%=1,200万円」となります。

こちらは融資を利用します。仮に年間ローン返済と運営経費を合わせた額が賃料収入の75%(年間900万円)だとすると、差し引きの手残りキャッシュフローは年間300万円となる計算です。利回り6%という一見控えめな数字であっても、ロット(規模)が大きければ、手元に残る絶対的な金額そのものが大きくなります。

📊 融資(他人資本)を活用する意味

2億円の物件を買うからといって、2億円の現金が必要なわけではありません。90%融資であれば、物件価格に対する自己資金は2,000万円(諸費用別)となります。融資を活用することで自己資金の何倍もの規模の「収益装置」を取得し、その大きな賃料から返済を進められることこそがレバレッジの強みです。

一棟経営における「分散効果」とトラブルの吸収力

一棟物件のもう一つの強みは、収入源が複数の部屋に分散されていることです。たとえば20戸の一棟マンションであれば、1戸が退去しても残り19戸から賃料が入ります。1戸退去した際の稼働率は「100%から95%」に下がるだけであり、区分所有のような「100%から0%」への急変は起きません。

エアコン交換や原状回復で同じ「20万円」の突発費用が発生した場合、年間賃料60万円の区分では賃料収入の約33%が吹き飛びますが、年間賃料1,200万円の一棟物件であれば、わずか1.7%程度の負担で収まります。ロットの大きさは、収益規模を拡大させるだけでなく、個別の突発的なトラブルコストを全体で吸収する余力をもたらします。

高利回りを探し続ける「再現性」と「減価償却」の視点

300万円・利回り20%の区分から得られる年間賃料は60万円です。同じ規模の年間1,200万円の賃料を目指すなら、こうした高利回り区分を「20戸」買い集める必要があります。

しかし実務上の課題は、**「300万円で利回り20%かつ、安定運用に耐えうる物件を20戸も再現性をもって探し出せるか」**という点です。超高利回り物件には、築年数、立地、空室リスク、修繕状態など、何らかの理由が存在することが一般的です。それらを個別に見極め、何度も契約・管理の手続きを重ねる労力と比べると、最初からまとまったロットの一棟物件を取得する方が目標達成までの再現性が高くなる場合があります。

さらに、ロットの違いは建物部分の評価に基づく「減価償却費」の規模にも現れます。規模が大きいほど税務上で活用できる減価償却の絶対額も大きくなり、キャッシュフロー以外の面でも事業に良い影響を与えます。

まとめ:利回りは「目的」ではなく、物件を評価するための一指標

利回り20%の物件が一律に悪く、6%の物件が良いという結論ではありません。重要なのは「何%で回るか」という数値だけに囚われず、「いくらの収益を、どれだけ安定して生み出せる構造か」を見極めることです。

融資によるレバレッジを活用できる不動産投資だからこそ、表面的な利回りだけでなく、ロット、実際のキャッシュフロー、空室耐性、修繕への余力までを総合的に捉えることが、本来の投資目標に近づく鍵となります。

コスモバンクでは、単なる数字上の利回り追及にとどまらず、お客様一人ひとりの与信と目標に合致した、長期で安定する一棟不動産の活用戦略をトータルでご提案しています。


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