物件購入時の「消費税」は戻ってくる!?~消費税還付の仕組みと現在のルールを解説します!~

「物件購入で支払った多額の消費税、なんとか取り戻せないのかな…?」
不動産投資家であれば、一度はそんな疑問を抱いたことがあるのではないでしょうか。
かつては不動産業界でも「消費税還付」を利用した節税スキームが流行しましたが、現在「本当に消費税還付は受けられないのか?」と気になっているオーナー様も多いはずです。
本記事では、不動産投資における消費税還付の基本ルールから、過去に流行ったスキーム、そして「現在でも還付が受けられるケース」についてわかりやすく解説します!
1. そもそも「消費税還付」とは?
消費税還付とは、事業者が「支払った消費税」が、消費者から「預かった消費税」を上回った場合に、その差額が戻ってくる(還付される)仕組みのことです。
ただし、誰でも還付を受けられるわけではありません。大前提として、その事業において「課税売上(消費税がかかる売上)」が発生しており、かつ消費税を納める義務がある「課税事業者」であることが必要です。
2. 居住用アパートで消費税還付が受けられない理由
結論から言うと、現在の制度において、居住用アパートやマンションへの投資で消費税還付を受けることは基本的にはできません。
たとえば、建物価格が1.1億円(税込)の居住用アパートを購入した場合、投資家は1,000万円もの消費税を支払うことになります。これを取り戻せたら嬉しいですよね。
しかし、アパートの家賃収入は「非課税売上(消費税がかからない売上)」にあたります。つまり、入居者から消費税を預かることがありません。
「預かった消費税がないなら、支払った消費税が全額戻ってくるのでは?」と思われがちですが、消費税還付の大前提は「課税売上が生じていること」です。居住用アパートの家賃収入からは課税売が発生しないため、この例の1,000万円は還付を受けることができないのです。
さらに、多くの不動産投資家は消費税の「免税事業者(納める義務がない事業者)」であるため、そもそも還付の対象外となってしまいます。
3. まだ道はある!「事業用不動産」なら還付のチャンス
「やっぱり不動産投資で消費税還付は無理なのか…」と諦めるのは早いです。税制改正によって居住用アパートでのスキームは封じられましたが、店舗やオフィスビルなどの「事業用(商業用)不動産」であれば、現在でも消費税還付を受けられる可能性があります。
事業用不動産で還付を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。
要件①:事業用不動産であること
店舗や事務所など、商業目的で使用される物件である必要があります。居住用アパートの家賃は非課税ですが、事業用不動産の家賃収入は「課税売上」となるため、還付の第一条件をクリアできます。
要件②:消費税の「課税事業者」であること
免税事業者ではなく、課税事業者にならなければなりません。たとえば、「2年前の課税売上高が年間1,000万円を超えている」「自ら課税事業者を選択する」「インボイスの登録をする」のいずれかを満たすことで、課税事業者になることができます。
💡 (コラム)かつて流行した「還付スキーム」の現在
以前は、居住用アパートでも課税売上を発生させて還付を受ける、代表的な節税スキームが存在していました。
- 自動販売機スキーム:アパート敷地内に自販機を置き、初年度は家賃収入を発生させずに自販機での「課税売上」のみを発生させる方法。
- 金地金スキーム:金地金(ゴールド)の売買を繰り返すことで「課税売上」を発生させる方法。
⚠️ しかし、平成22年度、平成28年度、令和2年度の税制改正を経て規制が強化され、現在ではこれらのスキームを使って還付を受けることはできなくなっています。
まとめ:国税当局との“いたちごっこ”にご注意を!
現在のルールでは、不動産投資の消費税還付は、
「居住用アパートは基本的にNG」「要件を満たした事業用不動産ならOK」となっています。
ただし、消費税還付は昔から国税当局と投資家との間で“いたちごっこ”が繰り返されてきた歴史があります。事業用不動産に関しても、今後の税制改正でいつ規制がかかるかわかりません。投資を検討される際は、最新の税制動向にしっかりと注目していくことが大切です!
【ご注意・免責事項】
- 本記事は作成時点の情報です。税制は変更される場合があるため、実際のお手続きの際は、必ず国税庁ホームページ等で最新のルールをご確認ください。
- お客様個人の状況に合わせた具体的なご相談は、管轄の税務署または税理士へ直接お問い合わせください。
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